劇場版「ワンピース STRONGWORLD」を見る
うちの町の地域の地名で、「小池」ってところがあるんです。
ありふれた名前なんですが、道路標識で東西南北を付して書かれているところがあって、そこで南地区のものに「小池南」って表記されているんですよね。
それを見るたびに、売れないアイドルみたいな名前だなぁって思ってしまい。
また、実際のアイドルでもそれに近い名前の子がいたりして、小池唯だとか小池凛だとか、まさにそういう路線なのが伺いしてるんです。
これが微妙にややこしいのが、小倉唯なんて子もいたりして、さらに小倉遥なんてのも知った日には、完全に誰が誰だかな状態になっちゃうんですな。
名前で売れるってもんでもないですが、名前のオリジナリティが印象深さに結びつく効果も、もっと理解して欲しいと名前フェチ的には思うわけです。
もちろん、その存在が圧倒的なら関係ないんですし、小倉優子だって普通の名前でも覚えやすさが利点になっているくらいですから。
なんなら、後発の方が既存のものを上回るのなら、その効果が響き渡るってなもんで、例えば明石家さんまなんかも、魚のさんまと互角な認知度だし、シチュエーション次第ではどちらのさんまのことを言っているのかをあえて説明しないといけないほどで。
「ワンピース」だって、これまでならファッションのことだってすぐに思えていたのが、「これは服のことですよ」とか追記しないといけないほど漫画の印象が強くなっていて。
だから、原作者の尾田栄一郎が手掛けた10作目の劇場版が初日からどの劇場でも満員御礼だっていうのも、もっと話題になっていいことだとすら思えて。
これが、先着150名に0巻プレゼントが惹きつけたものだとしても、そのムーブメントはヤマトやガンダム、エヴァと肩を並べるものだと言っていいんじゃないかなぁとすら。
いや、自分も最寄の映画館に初日に行ってみたんです。
朝は並んでるだろうけど、昼なら多少は空いているだろうなんて甘い見通しの下に。
それが、ホットケーキにシロップ塗りたくる以上の甘ったるい発想だったことはすぐに思い知らされ、劇場いっぱいに人が溢れかえり、劇場の外まで行列ができていたのを見、そしてその時点ですでに夜8時の公開までチケットが売り切れなんて看板が掲げられているのを見ちゃうと、根性なしの自分の心が折れるのに十分なインパクトでした。
「そっか、0巻は手に入らないかぁ」なんて思いながら帰宅したのですが、その後にこの反響を受けての増刷があることを知り、もしかしたらの思いを抱えてこの間劇場に行ったら、あの人込みがウソのような空きっぷりの中、映画を見ることができました。
淡い期待どおり、0巻の引換券ももらいつつ。
映画は、OPがピークだったかなぁ。
まず、映像がよかったんです。よく動いていた。
ひさしぶりにアニメの視覚における楽しさを堪能させてもらいました。
そして、壮大さも表現できていたし、アイデアとインパクトもあった。
なんというのか、ドラえもんの劇場版とか、夏休みに放送されていた「マジンガーZ対暗黒大将軍」みたいな、普段の作品とは違う見たことがない世界が見れるという期待感を持てたというのか。
それが、話が進むに連れて、手垢がついた有り体の内容となっていき。
それは、掘り下げの足りなさゆえとも言えて、ダフトグリーンという動物を寄せ付けない植物の設定があって、それによって守られる村があるんだけど、それゆえに権力者に搾取されているなんてところとか、その村の人たちが自分たちの幸せのために他人の不幸を考えているところとか、もっと深みを与えられたんじゃないかって思ったんです。
そこから、ダフトグリーンが倒れて動物たちの乱入があって、ルフィたちと敵との乱戦にからんでくるというラストになるんですが、それもあんまり活きていないのが勿体無かったし。
いや、その動物キャラたちが異常な成長をしているという設定になっているんですが、その造形は楽しかったんです。
横山光輝や永井豪が描く敵のロボットキャラくらいの奇想天外さがあって。
あと、ルフィたちの船上での賑やかじゃない状態の日常に突然、敵キャラとなるシキが訪れるというのも、ハッとさせられたり。
まぁまぁ。
名作となる可能性はあったけど、残念ながら惜しかったと言える出来だったというのが、個人的な感想です。
大体、シキが新世界に出てくるような大物の可能性を描いたとするなら、現状のルフィに倒されるというのはちょっとつまらなさがあるわけだし。
限界の二文字を連想しつつ、「うーん、でもなぁ」なんて口惜しむのでした。


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